Galaxy Z Fold3 を予約して発売日(2021/10/6)から使っている。これだけスマホの買い替えで進化するのは久々だし、定価237,600円もするのでレビュー記事でも書くかという所で書いているがやたらと長くなった。メインのスマホ・タブレットとして運用している。
これは何か
折り畳めることによって、スマホのように常にポケットに入れて携帯できる8インチ級タブレット。外側にも画面があるのでスマホも兼ねている。画面サイズは基本的にはiPad mini 2021より若干縦が小さいぐらいのサイズと考えてよい。ペン手書き機能もあるらしい。
高くない?
高いので気絶して買った。とはいえ使用時間が長くなることもあり、最近のカメラ以外あんまり進化のない普通のフラグシップスマホに高い金出すよりは価値があると思っている。
スマホと8インチタブレットを別で買ったほうが安いというのは全く違う話で、後述する。
国内版高くない?
高い。韓国版の輸入であれば17万円弱で購入できるが、国内キャリア版を買った理由としては、折り畳み画面などの決して枯れてはいない部品・機構を採用したスマホを、保険なしで買う勇気はなかったという点が大きい。キャリア以外の補償プログラムも最近はあるが、技適なし輸入端末では恐らく受けられないだろう。
ドコモの場合は月1,100円で自損対応・良品即先出しのケータイ補償サービスに加入できるので、加入することで気兼ねなく濡れた手で触ったり、ケースを付けずに使ったりすることができる。おまけに電池交換が割安になる、必然的に普通のスマホよりも使用時間が長くなるデバイスであり、かつ1年ごとに買い換えるのも厳しい金額なので、電池交換については少し考えておく価値があるかもしれない。
また購入時に2年後の買取残価を設定するいつでもカエドキプログラムが存在するため、実質142,560円で2年間レンタルすることができる。auにも同様のプログラムが存在するが条件が悪い。2年後には買い換えるつもりで買ったので、ちゃんと国内でも2年後に後継機が出るぐらいには売れてほしい。
この他の国内キャリア版の擁護としては、5Gミリ波対応(多分アメリカと日本版だけ、別にいらない)と、Felica対応(1台持ちなら重要)と、買ったときは実施していた購入者プレゼント(Galaxy Buds ProとFlip Cover with Pen、買うと2.8万円ぐらい)があるが、とはいえやや高いと思う。今やSamsungは唯一日本でキャリア販路のみで販売するメーカーとなったが、SIMフリー市場への参入はしないのだろうか。
折り畳みタブレット(スマホ)の何が良いのか
タブレットサイズの画面を常にポケットに入れて持ち運んで使えること。スマホも兼ねているので、スマホで進めていた状態を転送する必要がないこと。
Galaxy Zシリーズ兄弟機ではあるもののFlip3の魅力は自分には分からない。機構が同じというだけで、完全に別物として扱うべきだと思う。
画面サイズ
現代の人類の多くは常にスマートフォンを持ち運び日常的に利用していると思われるが、スマホの永遠の課題としては画面サイズ、主に横幅の制約がある。
スマホは近年でもスペック上では大画面化してタブレットに近づいているように見えるが、スペック上の画面サイズというのは対角線のインチ数で示されるものであり、画面が縦長化することで、実際の増えた体積以上にスペックが良く見えるようになっている。また実際に多くの用途で重要となるのは、画面比率が16:9以上であれば横幅であることが多い。
自分がなぜ画面サイズを重視するのかというと、何かを読むときの思考能力は、ある程度画面サイズ(主に横幅)に比例するという体感があるため。スマホで何かを読むと考えが短絡的になりやすい気がする。あらゆる物は基本的になるべく大きな画面(といってもシングルタスクなら縦横25cmぐらいあれば十分)で読みたい。
各種デバイスの画面サイズを縦横のmmで比較する。古いものは特記する価値がありそうなもの。
名称 | インチ数 | 縦mm | 横mm | 面積mm2 | 重量g |
---|---|---|---|---|---|
Galaxy Z Fold3 (メイン画面) | 7.6 | 150.7 | 115.7 | 17436 | 272 |
iPhone 13 Pro Max | 6.7 | 154.5 | 71.4 | 11031 | 238 |
iPhone 13 | 6.1 | 140.6 | 65.0 | 9141 | 173 |
Pixel 6 Pro | 6.7 | 154.52 | 71.3 | 11017 | 210 |
Galaxy S21 Ultra | 6.8 | 157.5 | 70.9 | 11167 | 228 |
Galaxy Note 20 Ultra | 6.9 | 158.8 | 74 | 11751 | 208 |
iPad mini 2019 Wi-Fi | 7.9 | 160.5 | 120.3 | 19308 | 301 |
iPad mini 2021 Wi-Fi | 8.3 | 176.2 | 115.7 | 20386 | 293 |
Xperia Z Ultra (2013)/Mi Max (2016) | 6.44 | 142.6 | 80.2 | 11437 | 212/203 |
Mate 20X (2019) | 7.2 | 164.8 | 79.3 | 13069 | 232 |
Nexus 7 (2013) | 7.02 | 155.4 | 87.4 | 13582 | 290 |
AQUOS PAD SH-05G (2015) | 7.0 | 150.8 | 94.2 | 14205 | 216 |
巨大Phablet界の最近の動向としては、いわゆるズルトラ級の横幅80mm前後のスマホは、2019年のMate 20Xをほぼ最後に後継機種が途絶えている。
なぜ普通のスマホの横幅があまり大きくならず縦だけ長くなるのかというと、横幅を伸ばすと片手で持ちにくく、ポケットに入れて携帯しにくくなるためだろう。
この問題の解決策としては、将来的にはxR技術によるスマホ以外のディスプレイも巻き込んだ根本的な解決が期待されるが、今のところはフレキシブルOLEDを用いた折り畳みスマホや伸縮するスマホが唯一の解決策とみられる。
スマホとタブレットを兼ねていること
この端末は変形によってスマホにもタブレットにもなる。スマホとタブレットを別々に持つ事との大きな違いは、スイッチングコストが限りなく低いことである。
例えば、スマホで開いたWeb記事を読み進めるときに、余程長い記事でもない限り、2台持ちの場合はわざわざタブレットを取り出し、なおかつリンクをスマホからタブレットに転送してまで、デバイスを切り替えるという気にはなりにくい。iPhone/iPad間のHandoffぐらいなら手間は少ないものの、スクロール位置まで同期はしてくれないし、持ち替える手間は残る。Webブラウザ以外のアプリによっては対応していない場合もある。そもそもその場にタブレットがない場合も多い。可変レイアウトのWebならまだよいが、固定レイアウトのPDFファイル等の場合は明らかにタブレットで読みたい。
折り畳みスマホ/タブレットの場合、開くだけで大きい画面でWebを読み続けることができる。他のアプリでも同様。…と言いたいところだが、ここでAndroidタブレットのつらみが出てくる場合がある。後述する。
向かない人
タブレット/大きい画面をとくに使いたくない人にはあまり必要ないと思う。
スマホとしては重くて高いし、外側のカバーディスプレイは比較的小さいので、開いた状態のメインディスプレイをよく使う人向けの物だと思っているが、案外カバーディスプレイを主に活用している人も居るらしい。
値段だけで躊躇しているなら、無理がなければ買ったほうがいい。
耐久性の不安
耐久性の不安はもちろんあったので、海外レビューを色々参考にした。
この辺りの動画を見るとかなり頑丈そうで、自分で使っている感想としても、ヒンジは強固だし画面もフレキシブルOLEDとは思えないほど硬いので、もはや何も気にせず普通に扱っている。しかし突然折り目部分が表示されなくなったりする事例はtwitterやredditで十数件見られたので、普通のスマホほど枯れてもなさそうで、やはり補償は欲しい。
良いところ(主に)
画面
散々画面サイズの話はしたが、ここでは2か月使った感想の話をする。
基本的には、アプリのレイアウトがスマホ向けで微妙な場合以外は最高である。微妙な場合は後述する。
Web閲覧は完全に快適。スマホ向けページの場合は表示要素が大きすぎる場合はあり、そのようなサイトはPCサイト表示にすればよい。
リフロー型電子書籍は快適に読める。それはそう。
漫画を単ページで読む用途には、Fold3メイン画面のサイズは本当に最適な大きさ・アスペクト比である。横持ちで見開きで読むこともできるがやや小さい。見開きより単ページ派なので、このサイズは本当に良い。
固定レイアウト型書籍はサイズにもよるがまあ読める。雑誌サイズになると、拡大なしで読めなくはないが積極的に読みたくはない。横持ちで幅に合わせて拡大して、スクロールしながら読むならまあいい。
16:9の動画を見る場合、縦持ちでは当然かなりの領域が余るが、マルチタスクで別アプリを使えるぐらいの領域が余るので、この使い方はなかなかよい。横持ちでも画面比率が正方形に近いので領域がそこそこ余るが、これはマルチタスクには使いにくい。メイン画面はもう少し縦長になると両方で嬉しい気はする。
マルチタスクはスマホでは実装されていてもほとんど使わなかったが、この画面サイズだとたまに便利。 上の動画再生や普通にWebとSNSを同時に開くような利用のほか、 ツルハドラッグと楽天ポイントとLINE(クーポン)とPayPayアプリをまとめて開くようなひどい活用をしている。レジで1画面で全部出せるので会計中に焦る必要がなく便利だが、完全に気持ち悪いオタク。
ストリートビューが妙に快適なサイズ。
画面サイズ以外の話としては、OLEDの画質が本当に良い。
今までもSamsungとSharp製OLEDのスマホは使っていたものの、とくに画質に感銘を受けることはなく、別にLCDでもどうでもいいと思っていた (OLEDのほうが軽いのはいいが)。所詮スマホサイズの画面であり、いくら綺麗でも小さいし、スマホは屋外などの悪い環境でも使うものなので画質はあまり気にしていなかった。太陽の照る屋外メインの場合は、焼き付きを気にせず輝度を上げられるLCDのメリットもあると思う。
Fold3の場合は単なるスマホよりもコンテンツ鑑賞に使う頻度が大幅に増える画面サイズであり、OLEDの評価を見直す機会となった。OLEDのタブレットやディスプレイも少し欲しくなってくるが、スマホより買い替え頻度が低いので焼き付きがまだ厳しそう。
今時当たり前のスペックであるが、120Hz駆動は良い。よく勘違いされているが、高リフレッシュレートはゲームや動画視聴のための性能ではまったくなく、スクロールしながら文字を読むという、スマホで多用されるユースケースに対応した性能である。ここを勘違いしないでほしい。
完成度
Foldシリーズの3作目なので、折り畳みというシステムのために必要となる、SasmsungによるOSのカスタマイズも成熟してきている。とはいえまだソフトウェアは道半ばではある。
ハードウェアとしては、Samsung DisplayはフレキシブルOLEDのサプライヤーであり安心感はある。防水対応も良い。ヒンジが任意の角度で固定できるのも、地味に持ちやすさや多様な使い方に貢献している。分解動画でヒンジの完成度を見て、これは金かかってるわと思った。
カスタマイズ性
SafetyNet等様々な情勢により、もはやAndroidスマホのroot権限を取ったりして使う時代でもないと思っているので、必要なときにカスタマイズが可能であるとよい。標準でもそれなりに変更できるが、Samsung純正のOne Hand Operation +やGoodLock系アプリを導入するとさらにカスタマイズが可能。One Hand Operation +は片手での使い勝手が飛躍的に向上するので、絶対に入れたほうがよい。
指紋センサー
Fold3の生体認証は、側面の電源ボタン兼指紋センサーという構成である。(加えてAndroid標準機能として安全性の低い顔認証はある)
とにかく認証通過率が良くすばらしい。Fold3の良い所として画面の次に挙げたいぐらい良い。側面指紋センサーにはいい印象がなかったが、Fold3の反応の素早さは今まで経験したあらゆる指紋センサーの中で最も早く、乾燥した手でも水を軽く拭いた手でも反応する。
まあ生体認証の常として、false positiveが多いかどうかは専門家が攻撃しないとわからないので、単にザルで早いという事でも素人には分からないが。
画面内ではない独立指紋センサーの良いところとして、取り出して顔の前に持ってくる間にロックが解除できるという快適さがあるが、この機種は設定でボタンを押さなくても指紋センサーに触れるだけでロック解除という設定が可能のため、本当にほぼ取り出すだけでロック解除ができる。
スマホ同期
Windowsのスマホ同期という、あまり知られていないAndroidスマホと連携ができる機能がある。
Galaxyの場合は通常の機能に加えて、さらにスマホ上のアプリをPC画面で操作できるという機能がある。PCで利用できないサービスのAndroidアプリがある場合などになかなか便利。ただし遅延は感じる。
S Pen対応?
Fold3から対応したペン対応は完成度が高いらしいが、自分は(日本語の)手書きがわりと嫌いで絵も下手すぎるので、Galaxy Note 8を持っていたころもほとんどペンを使っていなかった経験があり、キャンペーンで貰ったFlip cover with Penは一度も使わず売ったので日常利用は評価できない。店の展示機は触ったけど普通によかったと思う。個人的にはデジタイザなくして本体軽くしてほしい。
バッテリーの保護
Galaxy Z Fold3/Flip3より、「バッテリーを保護」という名前で最大充電量を85%に制限する設定が実装されている。このおかげで、バッテリーの劣化を気にせずずっとケーブルを繋いだままにできる。普通の日は85%制限で十分なので有効にして、たまに使いそうな日だけ解除して100%充電するような運用をしているが、設定が奥深くの画面にあり面倒なので、クイック設定やBixby Routineに対応してほしい。
前書いた関連記事 sudoovi.hatenablog.com
フラッシュライト
電源ボタンをダブルクリックしたときの操作に設定できるフラッシュライト機能が、常に反応が早くて安定しており信頼性が高い。輝度も明るくて便利。
折り畳みでヒンジが任意の角度で固定できることの思わぬメリットとして、任意の角度で設置ができるフラッシュライトとなるので、意外と役に立つ。
カメラ
カメラは画質を気にする用途でろくに使わないので、一定以上良ければ言うことはない。フラッシュライトと同様に任意の角度で設置ができるのが稀に便利。
改善してほしいこと・今後望むこと
表面素材の改善
背面素材がとにかく滑る。粘着にも向かない素材なのでリング等もつけにくい。重い端末なので見た目の高級感だけではなく使い勝手も考えてほしいが、AliExpressで買った適当な保護フィルムを貼ってみたらどちらも改善したのでまあよい。ケース付けるなら関係ない。
ヒンジ部分以外の側面素材もわりと滑る。普通のスマホやタブレットなら気にしない程度だが、Foldは開くために側面を掴んで開く必要があるため、滑らない素材にしてほしい。余っていた保護フィルムを適当に貼ってみたものの改善されず、なんとかしたい。ケース付けるなら関係ない。
メイン画面の反射
メイン画面には標準で保護フィルムが貼られており、なおかつこの保護フィルムは保証上は剥がしてはいけないことになっている。それはまあよい。ディスプレイ本体なのかフィルムのせいなのか分からないが、明るい場所で黒めの画面を表示していると、顔などが鮮明に反射して良くない。最高の表示品質のためにはアンチグレア加工が望ましくないことは理解できるが、それでもオプションがほしい。
AliExpressで適当に買った反射防止フィルムを元のフィルムの上に貼ったところ、反射はなくなり副作用のギラつきも少なかったのでまあ良いが、サムスン純正でやるならもっと高品質なものが出来ると信じている。
折り目
表示している内容や見る角度にもよるが、メイン画面の折り目はまだたまに気にはなるので改善されるとよい。とはいえ折り畳めることによるメリットがあまりにも大きいので、折り畳みの弱点として挙げるような事ではない。Mate X2のほうはこれよりも折り目が目立たないようなので、まだ改善はできそう。
廉価版
個人的にはS Penなし、程々のカメラ、程々のSoC、等で安いモデルが出たらいい。恐らく次モデルではカメラが他のフラグシップに見劣りしないように相当強化されるだろうが、全く求めていないので、それでコストが上がったりカメラバンプがさらに邪魔になることがないとよい。折り畳みタブレットというカテゴリの振興のためにも廉価版は必須なので頑張ってほしい。
メイン画面の縦幅の大型化
メイン画面で縦向きで固定レイアウトのファイルを読む場合や、横持ちで動画を見る場合は縦幅が制約となる場合が多いので、もう少し縦に長いと嬉しいような気はする。その場合でも、カバーディスプレイは操作しにくくなるので縦長化せずに単に額縁にしてほしい。ポケットからのはみ出しを考えると縦を大きく伸ばすのは厳しそうだが、Note 20 UltraはFold3より7mm長いので、あと少し伸ばすことはできそう。
さらなる急速充電への対応
PD PPSによる25W急速充電に対応しているが、タブレットとスマホを兼ねている関係上どうしても使用時間は長くなり電池が減るため、0-70%までの対応等でもよいので45W等のさらに高出力の急速充電に対応してほしい。ここは他社のスマホに普通に負けているので弱い所。
デュアルSIM/eSIM対応・バンド対応
docomo/au版はデュアルSIM/eSIM対応と他社バンド対応がわざわざ削除されている。高額出させておいて余計なことをしないでほしい。対応してたら海外旅行で最高に便利そうな端末だけど、まあいつ行けるんでしょうね。
メイン画面内カメラの位置
メイン画面内カメラは概ね気にならず良いが、コンテンツに被っている場合は完全に気にならないというほどでもないので、今の位置ではなく、横持ちで16:9の動画を再生させてる時に動画の領域に被らないぐらいの位置にあったほうがよいと思う。ある意味で全てのカメラがインカメラといえる端末なので、画面内カメラの画質に文句が出るのはよくわからない。
軽量化
Fold3の重量(272g)はスマホとしては重いものの、7-8インチ級タブレットとしては軽いという微妙な立ち位置にある。自分はスマホ・タブレットの重量を非常に重視する派であり、近頃の大して大きくないのに重量が200gを超えるスマホばかりの市場にはうんざりしているが、可能な限りタブレットを常に使いたい派でもあり、Fold3は基本タブレットを常に使っているという意識なのでこの重さを許容している。折り畳んだ状態では明らかに重いスマホと感じるが、開いた状態では片手でも比較的軽いタブレットであると感じる。持ち方の違いが大きい。
とはいえ日常的に片手で使ったりポケットに入れるデバイスとしては絶対的に重いので、どんどん軽くしてほしい。重量インパクトのありそうな機能としては、個人的にはS PenとQiが不要なので、これらをなくしたモデルがあるとうれしい。表面素材も高級感とかいらないから樹脂で軽くしてほしい。
Androidアプリのタブレット対応
Androidタブレットという市場はここ数年荒野であった。よってタブレット対応があまり優れていないアプリが、大手アプリでもそれなりにある。具体的にはこのように、単に横幅にフィットするように設計されたレイアウトの場合、画像がやたらと拡大されることになる。メディア一覧を見ているならまあいいが、普通の文字のみの投稿とメディア投稿が混じっているとバランスが悪い。
画面幅まで拡大しないような設定も可能ではあるが、もったいないので、どうしても嫌な場合はマルチタスクで分割にして幅を縮小している。
アプリによっては、起動中のレイアウト変更に対応しておらず、メイン画面で起動していた場合は、閉じてカバー画面で表示しようとするとアプリの再起動が必要になったり、逆の場合は再起動しないとレイアウトが変わらずに余白が表示されたりする。
電子書籍アプリ(これはkobo)は実際にはメイン画面でしかほぼ使わないのでまあよいが、ショッピングサイトのアプリなどもそのような物があり、再起動すると状態が飛ぶので面倒。
ゲームはマイノリティ画角の辛さが露骨に出てくる。この記事が詳しい。というかこのブログが全体的に詳しい。 【解説】Galaxy Z Fold3 ゲームのアスペクト比問題の解決法 - Curiositas
今後望まないこと
たまに望まれているのを見るが、自分は望まないこと。
カバー画面の横幅の大型化
厚みがあるのであまり横幅を大きくされると握りにくく・片手で操作しにくくなる。大画面が欲しければ開けばいいので、カバー画面が今以上に大型化する必要性は感じていない。部分的にはフリック入力のおかげではあると思う。薄くしたりヒンジを小型化できるのであれば、その分画面の横幅を少し広げるのは許容できる。
メイン画面の横幅の大型化
縦持ちで少し折った状態だと文庫本と同じような持ち心地になるので、漫画を見開きで読みたいという要求がたまに見られるが、今のコンセプトで漫画が縦持ちで快適に読めるまで大きくするのは無理がある。Surface Duoのフォームファクターで切れ目のない折り畳みディスプレイという製品もあると良さそうだが、別コンセプトになるのでFoldシリーズ後継機ではやらないでほしい。
バッテリーの増量
画面が大きい以上どう考えても電池持ちは良くはないので、バッテリー増量を求める意見もわかるが、個人的には重量のほうを重視してほしい。もちろん体積・重量を増やさず容量を増やす電池技術の進化には期待している(やりすぎて燃えないように)。電池持ちが足りないユースケースをカバーするためには、前述の急速充電の強化が行われてほしい。電池容量重視で画面の大きい別シリーズの機種もあっていいと思う。
また電力効率に優れたTSMC fabのSnapdragon 888後継チップが出て使われてほしいが、残念ながら次期Snapdragon 8 Gen 1もSamsung fabという発表があった。MediaTek Dimensity 9000搭載ハイエンドに期待したい。
その他
ケース
スマホを買うと同時にAliExpressで激安ケースを適当に買ってみる癖があるので、今回もそのようにした。普通の樹脂の軽いケース、スタンド付きケース、リング付きケースなどをいくつか購入した。自分がケースに求める効能は以下が挙げられる。
- 衝撃からの保護
- 背面・側面の滑りにくさ
- リング類による片手での持ちやすさ
- 邪魔なカメラバンプを隠す
主にリング付きケースをつけて運用していたが、ケースがあることによる幅と重量の増加と、カバー画面の端の操作しにくさが気になったので、現在は背面が滑りにくくなるように保護シートと、持ちやすいようにリングだけ付けて裸で運用している。ケータイ補償という最強の(金銭的)保護もあるので。カメラバンプは妥協する。
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リングをつけることで、開いた状態でも問題なく安定して片手で操作ができている。Webや電子書籍を読むぶんには限定された領域がタッチできれば十分なので、問題なく片手で読むことができる。
操作カスタマイズ
重要なカスタマイズとして、ナビゲーションバーのカスタマイズがある。標準ではボタン・スワイプジェスチャーのいずれかが選択できるものの、両方メイン画面・カバー画面で良し悪しがある。ボタンのデメリットとしては、画面下の領域を占有すること、メイン画面の場合は常に片手で届きやすい位置ではないことが挙げられる。スワイプジェスチャーのデメリットとしては、アプリの左端からのジェスチャー操作(ハンバーガーメニューを開く)を潰してしまうこと、メイン画面の場合は戻る操作は良いがタスク切替が片手で行いにくいことが挙げられる。ここでは両者の良いところ取りをする設定を紹介する。
まず、ナビゲーションバーはボタンに設定する。そしてOne Hand Operation+を導入すると、ボタンモードであっても端からのスワイプジェスチャーを設定できる。左右端やスワイプの方向ごとに別の操作を割当できる。反応する範囲を限定することもできるので、左端の範囲を限定することで、前述の左端からのアプリのジェスチャー操作と競合しない領域を設定できる。
さらに、NavStarを導入する。これはナビゲーションバーのカスタマイズが可能になるアプリで、ナビゲーションバーの左にナビゲーションバーの表示有無を切り替えるボタンを追加できる。ナビゲーションバーを完全に隠すことができるので、スワイプジェスチャーの場合よりも縦領域を長く使うことができる。また、メイン画面のナビゲーションバーの空き領域にタスク一覧を表示できる。
ソフトウェアキーボード
折り畳み2画面スマホの特殊な点としては、メイン画面とカバー画面で、明らかに求める文字入力UIのサイズ等が異なることである。使い分けができる必要がある。
デフォルトのSamsungキーボードは使い分けに完全に対応している。これで良いと思っていたが、想像以上に変換の頭が悪いのと、同じ画面の英語入力でフリックとQwertyを両方利用できないのが微妙で諦めた。
結局Gboardを使っている。2画面対応があるわけではないが、メイン画面では片手ならフローティングで主にフリック、両手なら普通のQwerty、カバー画面は普通のフリックで使っている。フローティングをワンボタンで切替できるのでまあよい。
Pixel Foldが出ることで、Googleアプリやその他アプリの折り畳み2画面対応が進むことが期待されるので、諦めずに出してほしい。
ブラウザ
ブラウザは普通にChromeを使おうと思っていたが、タブレットUIになるとタブのグリッド表示ができず、PCのようなタブバー表示のみとなるのが案外不便で、Samsung Browserを使うことにした。こちらはグリッド表示とタブバー表示が両立できる。またコンテンツブロッカーの拡張機能に対応しているのが良い。
2台持ち
買う前はさすがに重いしサブ機と2台持ちしようかな、組み合わせるならiOSがいいのでiPhone 13 miniに指紋認証がついたらいいな等と考えていたが、公衆衛生的に残念なモデルしか出なかったので結局買えなかった。他に組み合わせたい端末も思いつかないので結局ほぼ1台で運用している。結局可能な限りメイン画面を使いたくなるので、購入前に思っていたほどはサブ機が欲しくはなってはいない。スマートウォッチで補完したほうがいいかもしれない。
まとめ
カメラ以外のスマホの進化が停滞する中、この便利なカテゴリと完成度の高い端末が誕生したことに概ね満足しているが、これからの進化にも期待している。
利用者が増えることでアプリ等の対応が進んでほしい。皆も一度値段は見ずに店で触ってみてほしい。
*1:画面の縦横実寸については通常公表されていないため、公表の画面の解像度と対角インチ数から計算している。エッジが丸まっている等で正確な値ではない可能性がある。